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知の扉を開き 世界をより深い相互理解へ

吉田育英会が1967年に設立されてから、すでに半世紀以上のときを重ねてきました。

当会の活動は、YKKの企業精神である『善の巡環』に込められた想いを体現しています。YKKの創業者であり、吉田育英会の設立者である吉田忠雄は、「新たな価値の創造により社会に『善』を尽くし続ければ、やがて『善』は限りなく世界を巡ってゆく」という、いわば壮大な円環のイメージから、『善の巡環』という哲学を生み出しました。この想いは、今も吉田育英会の活動のなかに脈々と息づいています。

吉田忠雄は、国際的な奨学事業について語るとき、「夢は起きているときに見たいもの」という言葉を好んで用いています。これは、世界へ羽ばたく若者たちを支援することが、社会の喫緊の課題であると同時に、自身が生涯を通じて見たかった「夢」であったからだと思うのです。

現在、世界は価値観の分断により混迷の時代を迎えていますが、私はますます吉田忠雄が心から見たいと願った「夢」の重要性が増しているように感じています。

人は、真理の探求を通じてたくさんの知の扉を開くものです。当然、扉の先には、数々の新たな知見や人との出会いがあるはずです。そして、この出会いの中にこそ、世界をより深い相互理解に導く鍵があるのではないかと思うのです。ですから、奨学生の皆さんには迷うことなく自身が思い描く探求を存分に続けていただきたい。吉田忠雄が思い描いた「夢」も、皆さんの探求の先にこそ広がっているのではないかと私は考えています。

関係者各位におかれましては、当会に一層のご理解ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

理事長写真

理事長

吉田忠裕