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可能性の扉を開き、知見を社会へ

 私ども吉田育英会は、今から57年前の1967年に設立されました。その誕生を誰よりも強く願っていたのは、YKKの創業者であり、当会の設立者でもある吉田忠雄です。かつて吉田は「夢は起きているときに見たいもの」という言葉を好んで用いましたが、世界に向かって羽ばたく若者の活躍を支援することは、吉田の夢そのものでもあったわけです。

 彼の想いの根源はYKKの企業精神である『善の巡環』に尽きるものと考えています。YKK独自のこの哲学は、「新たな価値の創造により社会に『善』を尽くし続ければ、やがて『善』は限りなく世界を巡ってゆく」という、壮大な水の循環のイメージから生まれました。社会に『善きこと』を発信すれば、やがて波紋のように広がって、世界をよりよい形で潤していくであろうというビジョンを持っていたわけです。

 ですから奨学生の皆さんにも、自身の可能性の扉を積極果敢に開き、つかんだ知見を社会へ発信していただきたいのです。最初の波紋は小さなものかもしれません。しかし出会いを重ねながら、多くの人と想いを共有できれば、大きく広がっていくに違いありません。そのためにも、ぜひ当会で有意義なネットワークを築いてもらえればと考えています。

 このように皆さんの夢を未来につなぐことこそが、私共の切なる願いでもあるのです。今後も皆さんの夢のお手伝いをさせていただけたらと思います。

 関係者各位におかれましては、当会に一層のご理解ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

理事長写真

公益財団法人吉田育英会 理事長

吉田忠裕